これは、私のお気に入りのレースペーパーです。
フランス 1940年代のビンテージで、
プチフール用のレースペーパーだと思われます。
小さなプチフールが2つのる位の小さな横長のレースペーパー。
ため息が出るほど細かな模様が入ったレースペーパーは、
小さな世界の緻密さと丁寧さに何度みてもうっとり。
これは紙っていうか、やはりここはPapier(パピエ)と言いたい。
もうだいぶこの言葉も浸透してるのでご存知の方も多いと思いますが、
Papier(パピエ)とはフランス語で”紙”のこと。
こういうのはフランスの紙ならではなので、やっぱり”パピエ”なのです。
私が古い紙を好きになったのは、フランスの旅が始まりでした。
パリパリしたものだったり、匂い、だったり、茶けた様子だったり、
こうして繊細なものに出会えたり。紙の”様々な顔” に、ワクワクしたんです。
パリに渡った頃、友人の家、知り合いの家、画家さんのアトリエなど、
点々としたことがありました。現地の人の暮らしに触れることで、みんなが
古いものをいかに大切にしながら生活しているかに気づきました。
おばぁさんの代からのキッチン用品をずっと愛用していたり、蚤の市で手に入れたお気に入りを丁寧に手入れしてインテリアに取り入れたり、今にも壊れそうなアパルトマンのエレベーターは現役だったり。(いや、時々止まったりして、螺旋階段を上り下りした事、何度もあったよ)壊れても、ちょっと直して手入れして、使いにくかったり、不便だったりするけど、そんな中にドラマが待っていたり、それもユーモラスで楽しかったり。
こういうのいいなって感じたのがパリでした。
古いものが壊されて新しいものばかりできることが窮屈で、
どこか味気なくて何か違うなぁと感じていた私にとって、このパリでの生活は、
”新しいものばかりを生み出すことにとらわれなくてもいいんだぁ”と、
自然に気づかせてくれました。
古きを残して新しさを重ねていく、
ということが自分の中にグッときて、ここからものの見方や作品に
少しづつ変化が訪れます。
そんな古いものの宝庫フランスで、歴史や人や街の”ニオイ”なんかが、
ビンテージと言われるものから見えてくるのが楽しくて面白くって、
結果、手にしてコレクションになったお気に入りのものや、知ったこと、
作品のマテリアルになっていったものがあります。
”パピエ”、と一言で言っても、
いろんなニュアンスのパピエがあって楽しいのです。
またこちらで紹介していきたいなと思います。
Miki